今回は杏里さんが美容師をめざしたきっかけについてお伝えいたします。
実は杏里さん、高校をご卒業された後は何もやりたいことがなく、1年半くらい好き勝手なフリーター生活をされていたそうです。
ですが、将来に不安を感じて「このままじゃいけない！」と一念発起したところ、ご友人が求人案内を持ってきてくれて、目に留まったのがなんと・・・。

トラックの運転手の求人でした。

お給料が1カ月34万円と記載してあり、それに魅かれて面接をすぐに申し込んだそうです。
ですが、美容師の求人も目に留まり、そちらも面接を受けることにされたそうです。
ただ、面談の予定がトラックの運転手の面接の日よりも早い日にちとなり、先に美容師の面接を受けることになったそうです。
その面接がなんと3時間もの長時間にわたるものだったそうで・・・。
何をそんなにお話されたのかお聞きしたら、その面接をしてくださった方の仕事への思いとか人生哲学とか、仕事をする上での心がけとか、熱い思いをずっとお話されていたそうです。
そして3時間のお話の後、

「で、いつから来る？来月からにする？」

と言われて、「えー！！！？？？」となったそうです。その時は杏里さん、トラック運転手の方へ9割は気持ちが傾いていたそうなんですね。（お給料の高さに惹かれていたそうです）
でも、その面接をしてくださった前の社長さんが

「若いうちは給料の額や休みの多さなんか気にしたらだめだ。人の3倍苦労できる仕事をしなさい。」

とおっしゃっていたことが頭から離れなかったそうなんですね。
しかも、父親のように親身になってお話してくださる前社長さんにとても親しみを感じて
「美容師になりたい」というよりも、「ちゃんとした人生を歩みたい」という思いから、その前社長のいらっしゃる美容室へ就職を決めたそうです。
今現在、ヘアカットにストイックに追及されているお姿から、きっとものすごいきっかけがあって美容師を目指されたんだろうな・・・とは思っていましたが、意外なきっかけだったことを聞いて驚きました。誰しもお仕事をする上で親となるような上司や先輩との出会いというのがあると思います。杏里さんにとっては、その前社長さんがそのような方だったようです。今思うと、トラックの運転手の面接の方が早かったら・・・。きっと全く違った人生だったんじゃないかと思います。そして、杏里さんに髪をきってもらったお客様の人生も大きく変わっていたのではないかと思います。改めて、何者かの大きな意図や運命を感じずにはいられない、そんなエピソードなのでした～。